2022年4月28日、某脱毛サロンの運営する会社で、給与未払いや解約金の返金が遅れていることが全国ニュースになりました。 すでに契約されている方はもちろん、これから契約する方はとても不安に感じると思いますので、このページでは脱毛サロンやクリニックの倒産の可能性や確認すべきポイントについて情報を記載します。
結論から先に書くと、給料未払いや返金対応が遅いと噂になっている脱毛サロンやクリニックは選ばない方が無難です。
詳しくは記事の本章をご確認ください。
脱毛サロンやクリニックは倒産するの?
結論、脱毛サロンやクリニックは倒産します。脱毛サロンやクリニックを経営するのが企業である以上倒産のリスクはつきものです。
ただし、倒産リスクや近々倒産しそうかどうかは、ある程度見分けることが出来ます。
倒産しそうなサロンやクリニックの見分け方
上場している企業であればIR情報や貸借対照表、損益計算書やキャッシュフロー計算書などを公開しているところも多く、それらを見れば倒産のリスクは細かくわかります。しかし上場していない企業(脱毛サロンやクリニックは多くの場合上場していない)であれば、他の方法で見分けていくしかありません。倒産しそうなサロンやクリニックの見分け方は大きく5つあります。
現金一括払いをすごく勧めてくる
クレジットカード払いや医療ローンの選択肢がある中、現金での一括払いを勧めてくるサロンやクリニックは少し危険性があります。クレジットカード払いはカード会社に手数料がいくため、企業に支払われるお金が少し減ってしまいます。
医療ローンは一括払いではないので、一時的に企業に入ってくるお金は少ないです。継続的に入ってくるお金は、一括払いとほぼ同じですが途中でお客さんが解約するケースもあるので、企業からすればなるべく一括で支払ってもらいたいところです。
倒産しそうな企業は手持ちのお金が少なく、なるべく早くお金を得たいので、現金での一括払いを推してくる傾向があります。
大きな契約を何度断っても勧めてくる
お金がなく倒産しそうな企業は大きな契約を何度も勧めてくる傾向があります。営業ノルマなどが決められたサロンやクリニックも同様のことがあるので、見分けづらいかもしれませんが、大型のキャンペーンや割引を打ち出して、少し大きめの金額をかなりお得に見せて(大袈裟ですが、40万円のコースを25万円にするなど)契約させようとすることはよくあります。
SNSやインターネットなどで悪い評判はすぐに広がってしまうご時世で、勧誘が酷い企業などは少し気をつけましょう。
返金対応が遅い
返金対応が遅い企業は倒産するリスクが高いと言えます。カードや決済の都合上、月末の処理になったり1ヶ月程度待たされたりはよくありますが、2ヶ月や3ヶ月以上待たされるサロンやクリニックは間違いなくお金が足りていません。
脱毛サロンやクリニックは、従業員を雇ったりお店を出したりするだけでお金がお金がかかってしまうので、新規の顧客に来店してもらって、新たに契約を結ばないと手持ちのお金がなくなってしまいます。
コロナ禍の影響などでお客さんが来てくれなくなった店舗はどんどん閉店して、企業としての固定費を下げていきますが、それでも手元にお金がなくなった企業は従業員や顧客にお金を払うことができず、給料の未払いや解約金の支払い遅延などが発生してしまいます。
通常給料の未払いなどの情報は世間に出回りにくいので、仕入れることが難しですが返金対応のスピード間であれば、ネットやSNSで『企業名+返金対応』などで検索すれば見つけることができます。
小規模なエステやクリニックで広告宣伝をしていない
こじんまりと経営されている個人経営のエステやクリニックは大規模なところよりも倒産リスクは高いです。経営されている期間が長ければ、倒産リスクは少し下がりますが、小規模でできたばかりのお店などでは1年持たずに潰れてしまうところもあります。
小規模なエステやクリニックを検討する場合は特に注意しましょう。
広告宣伝費を削り始めたエステやクリニック
大きなエステやサロンであれば広告宣伝費に莫大なお金を使います。1ヶ月で数千万円程度を広告宣伝費に使う企業も少なくありません。
広告に見合うだけのお客さんが来てくれるサロンやクリニックであれば全然問題はありませんが、お客さんが来なければ大きな赤字になってしまいます。
思うような集客が出来ていなかったり、お金がなくなって来た企業が1番にやることは店舗の縮小ではなく、広告宣伝費の縮小です。
季節などの時期的な要因はありますが、以前まで見かけていた広告が突然減ってきたり、他のお店と比べると明らかに広告が少ないような企業は少し注意をした方がよいでしょう。
脱毛サービスの契約時に気をつけること
どこの脱毛サービスであろうが、少なからず倒産してしまうリスクはあります。契約時に気をつけるべきことを知っておくと、万が一倒産になってしまった時もダメージを最小限にすることができます。
知っておくべき点は次の2つです。
なるべく大きなプランで契約をしない
全身の脱毛などは大きな金額の契約になりがちですが、施術の回数は5〜6回のものを契約するとよいです。10回以上のプランもあったりしますが、料金が大きくなりすぎる且つ施術を受ける期間も長くなるので、倒産に巻き込まれるリスクが少し上がります。
1回のプランだとかなり割高の場合が多いのでお勧めできません。
従って全身などのコースプランの場合は5〜6回の施術プランなどをおすすめします。
部分脱毛などを検討する場合、適切なコースプランがあればそれを契約すればよいですが、施術1回ずつの都度払いで料金があまり変わらないのであれば、1度ずつの都度払いでの契約が望ましいです。
契約書内の前受金の保全という項目を確認
脱毛サロンやクリニックで新規契約を行う場合、契約書にサインを行う必要があります。契約書内には『前受金の保全』という項目があります。前受金の保全措置とは、万が一企業が倒産してしまった場合、利用者に対して前受金の全部または一部の返還を担保するために、事業者が金融機関等との間に保証委託契約を締結している場合などをいい、倒産してしまった場合には前受金の保全に示された対応が取られます。
前受金の保全措置などがない脱毛サービスの場合、万が一倒産した際に全額戻って来ないことなどもあるので、気をつけましょう。
サロンやクリニックに倒産の噂が立った時の対処方法
自身が通っているサロンやクリニックに倒産の噂が立ったらどうすればいいでしょうか?それは、現在契約中のプランと残りの施術回数によって変わって来ます。
残りの施術回数が少ない場合、例えば2回以下などであれば、そのまま通って施術を受けた方が良い場合が多いです。
4回以上施術回数が残っていれば、万が一に備えて解約手続きを進めた方が無難です。
実際に倒産した場合の対処法
実際に脱毛サロンやクリニックが倒産した場合、下記の順に対応を行い少しでもお金が戻ってくるようにしましょう。契約期間と支払い金額の確認
倒産などの噂が上がればまず初めに、契約プランの期間、契約回数、残りの施術回数と支払った金額を確認しましょう。どこかに相談するときや、返金を求める時にも必ず必要な情報なので最初にしっかり確認しておきましょう。
クーリングオフが使えないか検討
契約してから8日経過してない方はクーリングオフが使えます。クーリングオフは書面で簡単に出来ますが、明確な期限があるので素早く対応しましょう。
詳しくは国民生活センターのクーリングオフについてのページをご確認ください。
クレジットカードや医療ローンの支払い停止依頼
契約から8日以上が経過しクーリングオフが使えない人で、クレカの分割払いや医療ローンを組んでいる人は支払いを止めるようにしましょう。クレカの一括払いの手続きを行なってしまった人でも、契約から日にちが経ってなければまだクレカでの支払いをキャンセル出来ることがあるのでカード会社に問い合わせをしましょう。
医療ローンの連絡先は契約時の契約書などに記載してあるはずですので、確認してください。
解約と返金依頼
倒産する会社に連絡しても連絡がつかない可能性がありますが、解約の旨を伝えていないと後から問題に発展することもあるので、必ず連絡を入れるようにしましょう。解約などの問い合わせフォームがあればそこに連絡するのが1番ですが、なければ通常のお問合せの電話や運営会社のメアドなど、どこでもいいので解約する旨を伝え、証拠を残しておくようにしたほうが良いです。
第三者の機関に相談
解約の連絡をしても返事がなかったりした場合、国民生活センターや日本エステティック経営者会など、運営会社以外に相談しましょう。国民生活センターの消費者ホットラインは電話で市外局番なしの188でつながります。詳しくは上記の国民生活センターのページをご確認ください。
ここまで対応できれば、やれることは全部やった状況になります。
落ち着いて各所の対応を待ちましょう。
脱毛サロンやクリニックの過去の倒産情報
脱毛サロンやエステは実は過去にたくさん倒産しています。その一部の脱毛サービスについて紹介します。
2000年エステdeミロード【倒産】
株式会社アール・ ビー・エムによって運営されていたエステティックサロン。広告でCMなども放送され全国展開されていましたが倒産してしまい世間が驚きました。2007年エピドール【倒産】
格安の光脱毛のエピドールでしたが倒産2007年に倒産しました。グランモアという脱毛サロンが代替処理を行い、倒産の被害者の施術を対応しました。
2013年Pure(ピュア)【倒産】
株式会社天寿が運営していたPure(ピュア)ですが、2013年に倒産しました。脱毛エステが乱立する中、競争激化で売上高が減少し倒産したとのことでした。
2015年ミュゼ【任意整理】
ミュゼは2015年まで、ジンコーポレーションによって運営されていましたが、2015年に運営を新会社の株式会社ミュゼプラチナムに任せ、株式会社ミュゼプラチナムは株式会社RVHの完全子会社になるという形で落ち着きました。倒産という形だと、お客さんに迷惑がかかるので、脱毛事業をそのまま他社に譲るという形で復活を遂げました。
2017年エターナルラビリンス(エタラビ)【倒産】
2017年にエターナルラビリンスは倒産しましたが、倒産後も脱毛サービスはミュゼプラチナムに任される形になりました。その他の事例
2021年末東京ディアークリニック(TDC)
2021年末には東京ディアークリニック(TDC)が偽物の脱毛機を使っている噂になり、解約を希望する人が増えた為運営が出来なくなりました。東京ディアークリニック(TDC)で契約していた方の施術は、カンナムクリニックで引き継がれました(TDCの統括院長は転院しカンナムクリニックで院長をやっており、TDCの店舗のほとんどはカンナムクリニックの店舗として使われている)。
2022年4月キレイモ
2022年4月にはキレイモのスタッフへの給料未払いや、解約金の返金遅れが全国ニュースで取り上げられました。返金が遅いなどの情報は2020年頃からいろんな口コミでよく見かけるようになりました。
2022年の5月7日現在、キレイモが倒産したなどの情報は入って来てませんが、解約の申し込みが相次いでいる状況で、今後のキレイモの動きを注視する必要があります。
もちろん、新規でお申し込みを考えている方は少し待つことをおすすめします。
2022年3月恋肌
恋肌は2022年3月に、景品表示法に違反する行為(同法第5条第2号(有利誤認)に該当)が認められたことから、業務改善命令を受けました。恋肌には倒産などの噂はありませんが、過去に業務改善命令が出て、そこから人が来なくなって倒産した企業もあるくらいなので、少し注視が必要です。
日本エステティック経営者会について
脱毛サロンが倒産する際によく名前を見かけるのが、日本エステティック経営者会です。日本エステティック経営者会には、その名の通り脱毛サロンの経営者が参加しており、様々な脱毛サロンが加入しています。
この会に参加している脱毛サロン同士で助け合う仕組みになっており、万が一どこかの脱毛サロンが潰れたりした場合は、日本エステティック経営者会に加入している他の脱毛サロンなどで、優遇措置を受けられたりすることがあります。
契約を検討している脱毛サロンがあれば、事前に日本エステティック経営者会への参加の有無を確認しておくと良いでしょう。
まとめ
近年、新型コロナウイルスや、脱毛クリニックの価格低下に伴い、閉店する脱毛サロンが増えて来ました。脱毛サロンやクリニックは倒産するリスクがあります。新規で契約する場合は、解約時の返金処理が遅いなどの口コミがないかを調べ、なるべく金額の大きなプランを避け、出来る限りリスクを無くしてから契約するようにしましょう。
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